慢性炎症・酸化ストレス・糖化を防ぐアンチエイジング・デトックス・ダイエット

慢性炎症・酸化ストレス・糖化を防ぐためのアンチエイジング・デトックス・ダイエット方法について書いています。

心身を蝕む「キラーストレス」とは何か?

 

当ブログでは、慢性炎症酸化ストレス糖化を防ぐためのアンチエイジングデトックス・ダイエット方法について書いていますが、今回は心身を蝕む「キラーストレス」とは何かということについて述べていきたいと思います。

 

「キラーストレス」は、NHKの番組で知られるようになった言葉ですが、このキラーストレスとは分かりやすく言えば、慢性的に続くことで多くの病気をもたらし、下手をすれば命の危険まで引き起こしてしまうストレスのことを指すと考えられます。

 

 ストレスを甘くみてはいけないのだ。ストレスはある条件が重なると、命を奪う病の原因へと形を変えていく。私たち取材班はこのストレスを「キラーストレス」と名づけ、その正体を追うことにした。(NHKスペシャル取材班『キラーストレス 心と体をどう守るか』p25

 

 いまから数万年前。私たちの祖先がもっぱら狩猟で生きていた頃、周囲には、多くの点適が潜んでいた。どう猛な動物にいつ襲われるか分からない。万一、出会ってしまったときはどうするか。命がけで闘うか、もしくは必死で逃げるしかない。このような追いつめられた場面で威力を発揮したのが、「ストレス反応」だ。(NHKスペシャル取材班『キラーストレス 心と体をどう守るか』p27

 

 人間の体は危険に遭遇したとき、心拍数が増え、血圧が上がるようにできている。また、肝臓から糖が放出されて血糖値が上昇すれば、エネルギー源が全身に供給される。闘う姿勢、逃げる態勢の双方が、瞬時に準備されるのである。

 このように、ストレス反応とは、私たちの祖先が「命をつなぐために進化させた大切な体の機能」だったのだ。(同 p27~28

 

 現代社会に生きるわれわれが、天敵に出会って命を脅かされるような事態に直面することはまれだ。ジャングルにでも出かけない限り、猛獣に襲われることはまずない。

 一方、現代では、精神的な重圧によって、扁桃体が反応するような事態が引き起こされてしまうのである。これこそ、私たち現代人を悩ませているストレス反応の正体なのだ。(NHKスペシャル取材班『キラーストレス 心と体をどう守るか』p37

 

キラーストレス 心と体をどう守るか

 

特にNHKスペシャル取材班による『キラーストレス 心と体をどう守るか』によると、血圧の上昇など「体」のストレス反応が強くなる「頑張るストレス」よりも、「心」のストレス反応が強くなる「我慢するストレス」が、心の病との関係において問題になってくるというのです。

 

 心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」だ。

 コルチゾールは、副腎から分泌されると、血流にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たす。役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収される。これが、正常なストレス反応の流れである。

 ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまう。こうなると、状況が一変する。コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのだ。まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのである。(NHKスペシャル取材班『キラーストレス 心と体をどう守るか』p48~49

 

キラーストレス 心と体をどう守るか

NHKスペシャル取材班『キラーストレス 心と体をどう守るか』


また、NHKのウェブサイトでは、この「キラーストレス」に関して、

 

脳の扁桃体が不安や恐怖を感じると ストレス反応と言われる反応が始まります。

ストレスホルモンが分泌されたり自律神経が興奮したりします。そのために心拍数が増える、血圧が高くなるといった反応が起こります。これがストレス反応です。

一つ一つは小さくても、多くのストレスが重なると、キラーストレスともいうべき危険な状態に陥ります。

血管が破壊され、脳卒中心筋梗塞、大動脈破裂を引き起こします。

最新の研究では ストレス反応は、心臓の筋肉を流れる血液が減少し心不全を引き起こす、がんを悪化させる、体内に入った細菌を増やして血管の破壊を起こすなど、命に関わることがわかってきました。

 

といった説明がなされています。

 

www.nhk.or.jp

 

このように、キラーストレスは知らない間に、様々な病気を引き起こす原因になると考えられているのですが、そのキラーストレス対策として、NHKスペシャルの番組や書籍の『キラーストレス 心と体をどう守るか』では、「コーピング」や「マインドフルネス瞑想」が紹介されています。

 

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もちろん、程よいストレスは、自分を成長させたり、免疫系を鍛えたりするために必要ですが、ストレスは多すぎると、がんやうつ、認知症など、様々な病気や老化の原因になってしまうのです。

またストレスが続くことは、活性酸素によって(酸化ストレス)、体内での慢性炎症が引き起こされる原因にもなると考えられます。

 

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活性酸素と酸化ストレスの関係とは?

当ブログでは、慢性炎症酸化ストレス糖化を防ぐためのアンチエイジングデトックス・ダイエット方法について書いていますが、今回は活性酸素と酸化ストレスの関係について述べてみたいと思います。

 

前回は酸化や慢性炎症の原因になる「ストレス」とは何か、ということについて書きましたが、このストレスや「酸化ストレス」と密接な関係があるのが、「活性酸素」です。体内の活性酸素が増えすぎてしまう原因は、必要以上のストレスなのです。

 

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老化を防ぐためのアンチエイジングに関心がある方であれば、激しい運動を行ったり、紫外線を浴びたりすると、体内で「活性酸素」が増えて老化が促される、シミやしわの原因になる、といったことを一度は耳にしたことがあるかもしれません。

 

この「活性酸素」とは、「フリーラジカル」と呼ばれるものの一種なのであり、細胞内のミトコンドリアATPと呼ばれるエネルギー通貨を産生する際に、どうしても発生してしまうものだとされています。

 

もちろん、ある程度の活性酸素は健康維持のために必要なのですし、「スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)」など、体内で発生した活性酸素を除去する仕組みも人体に備わっていますが、必要以上にストレスを受けたり、無酸素運動などの激しい運動を行い過ぎたりすると、体内で増えすぎてしまうのです。

そして、もし活性酸素が体内で増えすぎてしまうと、細胞の老化促進や、がん、さらにはアレルギーなど、様々な病気・疾患の原因になるといわれています。

 

この活性酸素フリーラジカル)について、宇野克明氏は、『ミトコンドリア革命』のなかで以下のように詳しく説明しています。

 

 〝フリーラジカル〟とは原子核を周回する電子の数に不足が生じ、対をなさなくなってしまった元素を含む物質の総称だ。こうした電子、すなわち〝不対電子〟が常に周囲よりその不足した分の電子を調達しようとする性質を持った反応性の高い不安定物質である。

 そのため、フリーラジカルは周囲から電子を強奪し、その時電子を失った周囲の組織は著しく酸化してしまうことになる。

 このようなフリーラジカルを含んだ酸化物質の総称を〝活性酸素種(スーパーオキサイド)〟といい、人体を破壊する怖い物質として恐れられている。活性酸素種の個別名称としては〝活性酸素〟〝ヒドロキシルラジカル〟〝過酸化水素〟、そして〝一重項酸素〟が有名だ。

 こうした性質、名称を持つフリーラジカルだが、その作用で最も恐ろしいのが細胞核DNAに与える酸化損傷だ。フリーラジカルに与えられた損傷は時に恐ろしい 〝がん〟や酸化に伴って生じる各種疾患の増加、あるいは老化促進の原因すら引きおこす。さらに、こうした減少を放置すれば、その強い酸化反応は連鎖的に 〝電子の強奪〟を繰り返し、更なる状況の悪化さえもたらしてしまうだろう。

宇野克明『ミトコンドリア革命』p61~63

 

ミトコンドリア革命

 

活性酸素は老化や炎症を引き起こす原因になる。

先ほども述べたように、このフリーラジカルは、細胞の老化促進や、がん、さらにはアレルギーなど、様々な病気・疾患の原因になるとされています。

では、なぜそのように老化や病気の原因になるのかといえば、宇野氏が述べているように、フリーラジカルは、「細胞核DNA」に「酸化損傷」を与えるからです。

 

分かりやすく言えば、「ヒドロキシルラジカル」などの「悪玉」と呼ばれる活性酸素は、私たちの細胞にサビつきと劣化をもたらすのです。

そしてこのことが「酸化ストレス」とも呼ばれているのです。

 

酸化ストレス

 

また酸化ストレスはサイトカインを暴走させるきっかけにもなり、そのことが「炎症」を引き起こす原因にもなるとされています。

つまり必要以上のストレスは細胞の酸化と劣化をもたらし、さらにはだらだらと続く「慢性炎症」までも引き起こす原因になってしまうのです。

 

 加齢やストレス、紫外線、そのほか、喫煙や化学物質などさまざまな影響によって抗酸化力が落ちてくると、体内で起きる酸化と抗酸化のバランスが崩れ、酸化はどんどん進んでしまいます。

 こうなると、体内で増え過ぎた活性酸素によって正常な細胞がダメージを受けることになり、からだのあちこちで小さな炎症が次々と起きてしまうのです。

 実際、活性酸素が増えることで慢性炎症が引き起こされ、それが結果的にガンやアルツハイマー病など、さまざまな病気につながっていることが、近年の研究で明らかになってきています。(熊沢義雄『「慢性炎症」を抑えなさい』p26~27)

 

したがって、慢性炎症や老化の促進を防ぐためのアンチエイジングを実現させるためには、「活性酸素」による酸化ストレスを減らすこと、すなわち広い意味でのストレス対策というものが必要になってくるのです。

 

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酸化・慢性炎症の原因「ストレス」とは何か?

当ブログでは、慢性炎症・酸化ストレス・糖化を防ぐためのアンチエイジングデトックス・ダイエット方法について書いていますが、今回は酸化や慢性炎症の原因になる「ストレス」とは何か、ということについて述べてみたいと思います。

 

日頃、私たちは「仕事のしすぎでストレスが溜まっている」「あの人に会うとストレスを感じる」など、何気なく「ストレス」という言葉を使っていますが、そもそも「ストレス」とは何でしょうか?

 

そもそも「ストレス」とは?

そもそも「ストレス」とは?

「ストレス」とは

 

 

ストレスとは分かりやすく言えば、外側からかけられた圧力によって、私たちの生体にひずみやゆがみが与えられることです。

そのため、ストレス自体は悪いものではないのですし、ストレスは歩く道がでこぼこしているのと同じように、長い人生を生きていくうえで避けて通れないものなのです。

 

 ストレスとは本来、物理学の分野で使われていた用語です。「物体の外側からかけられた圧力によってゆがみが生じた状態」を示します。外側からかけられた圧力に適応しようとして、心や体に生じたさまざまな反応をストレス反応というわけです。

 ストレスといっても悪いものばかりではありません。ストレスという適度な圧力や刺激は、心や体に有益です。(藤田紘一郎『腸を鍛えればストレスは消える!』p5

 

ストレス反応とは?

また、「闘争か逃走か」(「fight-or-flight response」)という「ストレス反応」は、「私たちが進化の過程で獲得してきた「身を守る仕組み」であることが明らかになっている」といいます(参考 NHKスペシャル取材班『キラーストレス 心と体をどう守るか』)。

 

 いまから数万年前。私たちの祖先がもっぱら狩猟で生きていた頃、周囲には、多くの点適が潜んでいた。どう猛な動物にいつ襲われるか分からない。万一、出会ってしまったときはどうするか。命がけで闘うか、もしくは必死で逃げるしかない。このような追いつめられた場面で威力を発揮したのが、「ストレス反応」だ。(NHKスペシャル取材班『キラーストレス 心と体をどう守るか』p27)

 

 人間の体は危険に遭遇したとき、心拍数が増え、血圧が上がるようにできている。また、肝臓から糖が放出されて血糖値が上昇すれば、エネルギー源が全身に供給される。闘う姿勢、逃げる態勢の双方が、瞬時に準備されるのである。

 このように、ストレス反応とは、私たちの祖先が「命をつなぐために進化させた大切な体の機能」だったのだ。(同 p27~28)

 

 

ちなみに、体がストレスを感じると、副腎皮質や副腎髄質からコルチゾールやアドレナリンが分泌され、ストレス反応に対処しようとします。このことはストレスに対する生体の適応現象です。

 

ストレス反応は現代にも残っている

しかし私たちが現代社会を生きていくうえで問題になってくるのは、この「ストレス反応」の仕組みが残っており、いきなり猛獣に遭遇することはなくなったとしても、人間関係による悩みや過剰労働などによって必要以上にストレスを感じてしまうことなのです。

 

また、現代社会は電磁波や食品添加物、化学物質など、からだがストレスだと感じ、体内で細胞の老化を促す活性酸素を増やすものが身の回りに溢れているといえます。

 

さらに近頃、NHK取材班によって長期的なストレスによって心身が蝕まれるという「キラーストレス」の問題が取り上げられ、大きな反響を呼びました。

 

キラーストレス

 

そしてこのように、必要以上にストレスの影響を受けてしまうことで活性酸素が増えすぎてしまうことが、慢性炎症や老化の原因になる「酸化ストレス」、すなわちストレスによる「酸化」につながっていくと思われるのです。

したがって、酸化による老化や慢性炎症を防ぐためには、必要以上にストレスを感じることを避けるストレス対策が、必要になってくると考えられます。

 

このあたりのことは、前回や前々回の記事で述べましたので、詳しく知りたい方はよろしければ以下の記事を参照してください。

 

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ちなみに誰もがよく口にしたり、聞いたりするこの「ストレス」という言葉は、カナダのハンス・セリエという科学者が1930年代に提唱した「ストレス学説」から来ています。

 

ストレスとはなんだろう

 

 セリエは当初「ストレス」という言葉を、動物に加えられる有害作用(種々の物質の注入など)そのものを指すのに使用しようとしたが、後に考えを変えて、有害作用によって引き起こされる状態、つまり肥大した副腎皮質、萎縮したリンパ組織、潰瘍を起こした胃腸壁などを「ストレス状態にある」と考え、これらの状態をストレスと呼ぶことにした。一方、これらの組織のストレス状態を作り出す作用を「ストレッサー」と呼んだ。(杉晴夫『ストレスとはなんだろう』p91

 

 

参考ブログ

stress-kaizen.hatenadiary.com

 

酸化ストレスを防ぐための生活習慣とは?

当ブログでは、慢性炎症酸化ストレス糖化を防ぐためのアンチエイジングデトックス・ダイエット方法について書いていますが、今回は酸化ストレスを防ぐための生活習慣や酸化ストレスの対策について述べてみたいと思います。

 

前回、酸化ストレスとは何かについて書きましたが、活性酸素の増大による酸化ストレスは、慢性炎症や老化、生活習慣病の発症とも関係してくると思われます。

 

そのため、活性酸素による酸化ストレスを減らすためには、過度の運動や心理的ストレス、紫外線や電磁波を浴びすぎること、喫煙、化学物質など、広い意味で「ストレス」とされていることを避けるようにする、「ストレス対策」が必要になってくると考えられるのです。

 

なぜなら「酸化ストレス」という言葉が示す通り、「酸化」は「ストレス」によって引き起こされると考えられるからです。

 

もちろん、人間が現代社会を生き抜くためには、「ストレス」は避けては通れないものですし、適度のストレスも、自分を奮い立たせて、社会の流れに立ち向かうために、時には必要になってきます。

しかし、例えば、

 

  • サービス残業も厭わずに働き続けることは当たり前
  • 食事はコンビニなどで売られている加熱調理されたもので手軽に済ます
  • 夜更かしして何時間もスマートフォンの画面も見続ける

 

など、都市型のライフスタイルに慣れ過ぎることで、知らない間に不必要なストレスを受け続けることは、「アンチエイジング」の観点からすれば、良いこととは言えないように思います。

 

したがって、慢性炎症や老化の原因になる「酸化ストレス」を防ぐためには、都市型のライフスタイルを見つめ直し、不必要なストレスを避けるという意味での<ストレス対策>が大切になってくると考えられるのです。

 

野菜や果物のポリフェノールが酸化ストレスを防ぐ

また、普段の食事に関しては、「抗酸化作用」があるとされるビタミンCや、野菜や果物に多く含まれるポリフェノール類などを多く摂取するようにすることが有効だと一般的にはいわれています。

 

 酸化ストレスによる炎症や老化を防ぐには、野菜や果物中心の食生活を送ることが大切

 酸化ストレスによる炎症や老化を防ぐには、野菜や果物中心の食生活を送ることが大切。

 

そのため、酸化ストレスによる老化を防ぐためには、カップラーメンなどの加工食品や肉・炭水化物ばかりの食事が中心になるのは出来るだけ避け、代わりに野菜や果物中心の食生活を送ることが大切になってきます。

 

特に新鮮で食物繊維が豊富な野菜をサラダなどから多く摂るようにすることは、血糖値の急上昇を抑え、「AGE」による体内の「糖化」を防ぐことにもつながっていきます。

 

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また、酸化した油(不飽和脂肪酸)による過酸化脂質も、老化や慢性炎症を促す原因になるとされていますので、サラダ油をつかったフライ・揚げ物も控えめにしたほうがアンチエイジングのためには良いと考えられています。

 

そのほか、近年は悪玉の活性酸素である「ヒドロキシルラジカル」のみを選択的に除去する「水素分子(H₂)」が含まれた水素水などを飲用することも、活性酸素対策として話題になっていますので、より「酸化ストレス」対策としてのアンチエイジングを追求したい方は、日々の生活に「水素分子(H₂)」が含まれた水素水を取り入れてみても良いと思います。

 

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慢性炎症の原因<酸化ストレス>とは何か?

当ブログでは、慢性炎症・酸化ストレス・糖化を防ぐためのアンチエイジングデトックス・ダイエット方法について書いていますが、今回は慢性炎症の原因にもなる酸化ストレスとは何かについて述べてみたいと思います。

 

前回の記事や前々回の記事では終末糖化産物である「AGE」による「糖化」が慢性炎症や老化の原因になるため、「AGE」を防ぐための抗糖化がアンチエイジングのためには必須だと述べました。

 

しかし「糖化」だけではなく、「酸化ストレス」も慢性炎症や老化の原因になってくると考えられています。

 

では「酸化ストレス」とは一体何でしょうか?

この「酸化ストレス」の「酸化」とは、簡単にいえばカラダの中がサビることです。

 

アンチエイジングや健康のことに関心がある方であれば、激しい運動を行ったり、紫外線を浴びたりすると、体内で「活性酸素」が増えて老化が促される、シミやしわの原因になる、といったことを一度は耳にしたことがあるかもしれません。

 

この「活性酸素」(フリーラジカルの一種)は、私たちが呼吸をするたびに体内で発生しており、殺菌作用やガン細胞の破壊などに利用されているため、ある程度は健康を維持するために必要不可欠なのですが、必要以上にストレスを受けたり、無酸素運動などの激しい運動を行い過ぎたりすると、体内で増えすぎてしまうのです。

 

そして増えすぎた活性酸素は、細胞の老化促進や、がん、さらにはアレルギーなど、様々な病気・疾患の原因になるといわれています。

 

酸化ストレスは活性酸素によって引き起こされる

では、なぜそのように老化や病気の原因になるのかといえば、活性酸素フリーラジカル)は、「細胞核DNA」に「酸化損傷」を与えるからです。分かりやすく言えば、「悪玉」と呼ばれる活性酸素は、私たちの細胞にサビつきと劣化をもたらすのです。

 

そしてこのことが「酸化ストレス」と呼ばれているのです。

 

また酸化ストレスはサイトカインを暴走させるきっかけにもなり、そのことが「炎症」を引き起こす原因にもなるとされています。

つまり必要以上のストレスは細胞の酸化と劣化をもたらし、さらには「炎症」までも引き起こす原因になってしまうのです。

 

したがって、生活習慣病をはじめとした病気の予防や老化の促進を防ぐためには「活性酸素」による酸化ストレスを減らすことが重要になってくるのです。

 

たとえばこの「酸化ストレス」に対して、医学博士の熊沢義雄氏は『慢性炎症を抑えなさい』のなかで、

 

 酸化物は、ダメージを受け、本来あった姿形でなくなってしまいます。たとえば、鉄が酸化すればサビになり、その部分はもろくなってしまうでしょう。私たちの体内で酸化が進むということは、それと似たようなことが細胞レベルで起きているということなのです。

 実際、体内でからだの成分が酸化することを発端に、やっかいな問題が次々と起きています。(熊沢義雄『「慢性炎症」を抑えなさい』p25

 

と述べています。

 

また、熊沢義雄氏は、

 

 加齢やストレス、紫外線、そのほか、喫煙や化学物質などさまざまな影響によって抗酸化力が落ちてくると、体内で起きる酸化と抗酸化のバランスが崩れ、酸化はどんどん進んでしまいます。

 こうなると、体内で増え過ぎた活性酸素によって正常な細胞がダメージを受けることになり、からだのあちこちで小さな炎症が次々と起きてしまうのです。

 実際、活性酸素が増えることで慢性炎症が引き起こされ、それが結果的にガンやアルツハイマー病など、さまざまな病気につながっていることが、近年の研究で明らかになってきています。(熊沢義雄『「慢性炎症」を抑えなさい』p26~27

 

とも述べています。

 

「慢性炎症」を抑えなさい

「酸化」による老化や慢性炎症を防ぐためには不必要なストレスを避ける

以上、ここまで酸化ストレスとは何かについて述べてきましたが、「酸化ストレス」は、息がきれるような激しい運動や、人間関係における心理的苦痛、睡眠不足、喫煙、化学物質、食品添加物など、からだにとって「ストレス」になるものやことによって生じてくると思われます。

 

もちろん、人間が現代社会を生き抜くためには、ある程度の「ストレス」は避けては通れないものですし、時には自分を奮い立たせるために必要になってきます。

 

しかし慢性炎症や老化の原因になる「酸化ストレス」を防ぐためには、不必要なストレスを避けるという意味での<ストレス対策>が、アンチエイジングのために重要になってくると考えられるのです。

 

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糖化の原因「AGE」を防ぐための生活習慣とは?

当ブログでは、慢性炎症・酸化ストレス・糖化を防ぐためのアンチエイジングデトックス・ダイエット方法について書いていますが、今回は糖化の原因「AGE」を防ぐための生活習慣について述べてみたいと思います。

 

前回の記事では、終末糖化産物「AGE」とは何かについて書いてきました。

 

たとえば医学博士の熊沢義雄氏は、『「慢性炎症」を抑えなさい』のなかで、

 

「AGEは細胞を刺激し、「問題が起きているので、みなさん集まってください!」というお知らせであるサイトカインをあたりに発信させて、炎症を引き起こしてしまう」

 

と述べており、「AGEは、私たちの体内で炎症を起こす大きな要因のひとつ」だとしていますが、その「AGE」によって炎症が起こることが、体内の老化はもちろんのこと、糖尿病、認知症といった生活習慣病の発症などに密接に結びついていると考えられるのです。

 

したがって、「AGE」対策、すなわち「抗糖化」を行うことは、アンチエイジングのために必須になってくるのです。

 

では、糖化の原因「AGE」を防ぐための生活習慣とはどのようなことが挙げられるでしょうか?

 

ここでは、AGE研究の第一人者である医学博士の山岸昌一氏の『老けたくなければファーストフードを食べるな』のなかから、簡単に、「AGE」を防ぐための生活習慣のポイントをまとめてみたいと思います。

 

「AGE」による糖化を防ぐための生活習慣のポイント

  • 私たちは毎日の食生活のなかでAGEを体内に取りこんでおり、「食品中の七%のAGEが体内にとりこまれる」が、「調理の仕方によってAGEの量が違ってくる」。
  • 「焼いたり、油で揚げたりするとAGEの量は格段に増える」が、「一般に生で摂取すればAGEの量は少なく、鍋物や水炊き」は次に少ない。
  • 甘みづけに果糖とフルクトースコーンシロップが使われている最近の清涼飲料水には要注意。なぜなら「ブドウ糖に比べ体内で一〇倍も速くAGEをつくる」からである。また、ポテトチップスもAGEを大量に含む食品なので避けるようにする。

 

また、次に挙げる「糖化」を防ぐための生活習慣は、最近よく言われるようになった血糖値を急激に上げないための糖質制限の方法と共通してくるように思います。

 

  • 血糖値が急激に上がるのを避けるために、食事は「ゆっくり時間をかけて食べる」。早食い、どか食いはしないようにする。
  • 食べ物は単体ではなく、組み合わせて食べるようにする。また、食べる順番にも気をつけ、野菜サラダを先に食べるようにする。
  • 納豆やオクラ、ヤマイモなどのネバネバした食べ物や、海藻、こんにゃくなどは、「食べ物の腸への移動を遅らせ、血糖値を上げにくい」。
  • 血糖値を上げにくい「低GI食品」はオススメだが、それにこだわりすぎず、栄養をバランスよくとることが大切。

 

老けたくなければファーストフードを食べるな 老化物質AGEの正体

 

以上、山岸昌一氏の『老けたくなければファーストフードを食べるな』から、ささやかながら糖化の原因「AGE」を防ぐための生活習慣をいくつか挙げてみましたので、AGEの蓄積を防ぐ抗糖化のためのアンチエイジングを実現するために、よろしければ参考にしてみてください。

 

 

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終末糖化産物「AGE」とは何か?

当ブログでは、慢性炎症・酸化ストレス・糖化を防ぐためのアンチエイジングデトックス・ダイエット方法について書いていますが、今回は終末糖化産物「AGE」とは何かについて述べていきたいと思います。

 

前回の記事では慢性炎症の原因になる「糖化」について書きましたが、その「糖化」を引き起こす原因になるのが終末糖化産物である「AGE」(AGEs)だとされています。

 

「糖化」とは、糖とたんぱく質が結びついた「糖化たんぱく質」である「AGE」によって、組織が攻撃され、老化が促されることでした。

 

この「AGE」とは、日本におけるAGE研究の第一人者である山岸昌一氏によれば、糖化物質が変質しきった、毒性の強い物質のことであり、「糖化物質の慣れの果て」を指しているといいます。(参考『老けたくなければファーストフードを食べるな 老化物質AGEの正体』)。

 

そして「AGE」の厄介な点は、ヘモグロビンや体内のタンパク質とくっついてしまうことで(糖化たんぱく質)、「本来の組織を攻撃するようになる」点だと山岸氏は述べています。

 

たとえば糖尿病の指標になる「ヘモグロビンA1c」は、糖とたんぱく質を含む食品を加熱調理することで起こる「メイラード反応」(褐色反応)の副産物なのだそうです。

 

 人間の体内にあるタンパク質はヘモグロビンだけでしょうか? いいえ、そうではありません。体の細胞や組織はほとんどがタンパク質でできています。

 つまり体内の組織が糖にさらされて、長い間体温で温められていると、どんどん糖化が進み、最終的な糖化物質、つまりAGEになっていく。体のあちこち、そこら中にタンパク質が糖化されたAGEがたまっていて、本来の組織を攻撃するようになる。AGEは異常な糖化物質、モンスターなのです。

 人間が老化していく姿とは、こうしたことだったわけです。(山岸昌一『老けたくなければファーストフードを食べるな 老化物質AGEの正体』p34~35

 

老けたくなければファーストフードを食べるな 老化物質AGEの正体

「AGE」(AGEs)の問題点とは?

また、アメリカの神経科医であるデイヴィッド・パールマター氏は、『「いつものパン」があなたを殺す』のなかで、この「AGE」(AGEs)の問題点を指摘していますので、引用したいと思います。

 

 糖化反応とは、糖分子がタンパク質、脂肪、アミノ酸に結合することを意味する生化学用語だ。糖分子自身が結合し、自然発生的に起こる反応で、メイラード反応と呼ばれることもある。

 

(中略)

 

 このプロセスは終末糖化産物(通例、AGEsと略記される)を形成し、このAGEsによってタンパク質の繊維がゆがめられ、硬くなってしまう。

 年相応に老化しているヒト、つまりシワやたるみ、肌の変色があり、また加齢によって輝きが失われた人を見ると、AGEsの作用がわかる。その身体的影響は裏切り者である糖と手を組んだタンパク質によるものであって、AGEsが肌の老化において重要な役割を果たしている理由の説明にもなる。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p179~180

 

 

またパールマター医師が、「脳と体のアンチエイジングの目的は糖化反応を制限するか、遅らせることは明らかだ」としている点は、注目に値します。

 

 糖化反応は、生命にとって不可避な代謝や基本的な老化のプロセスの産物である。

 最近では糖分子とタンパク質の結合を利用して、糖化反応がどれだけ進んでいるかを計測することすら可能だ。

 

 (中略)

 

 脳と体のアンチエイジングの目的は糖化反応を制限するか、遅らせることは明らかだ。実際に、アンチエイジングの計画の多くは、現在、どのように糖化反応を軽減し、ひいては有毒な結合を解消させようとするのかに注目している。しかし、高炭水化物の食事をしていながらではそれは実現できない。炭水化物の食事によって糖化反応のスピードは増すからだ。

 とくに糖質は糖化反応を急速に促進する。というのも、糖質は体内のタンパク質とたやすく結合するからだ(ちなみに、アメリカにおいて、食事のカロリー源のナンバーワンは異性化糖だ。これは糖化反応の速さを一〇倍に上げる)。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p180~181

 

終末糖化産物「AGE」とは何か

「AGE」は炎症と老化を促す

ここまで終末糖化産物「AGE」とは何かについて書いてきましたが、医学博士の熊沢義雄氏が、『「慢性炎症」を抑えなさい』のなかで、

 

「AGEは細胞を刺激し、「問題が起きているので、みなさん集まってください!」というお知らせであるサイトカインをあたりに発信させて、炎症を引き起こしてしまう」

 

と述べている通り、「AGEは、私たちの体内で炎症を起こす大きな要因のひとつ」だと考えられているのです。

 

そしてその「AGE」によって炎症が起こることが、体内の老化や、糖尿病、認知症の発症などに密接に結びついているとされていますので、「AGE」対策(抗糖化)を行うことは、アンチエイジングのために必須なのです。

 

 AGEはタンパク質が糖化して、変質した最終糖化物質です。

 それが体内のあちこちに沈着し、組織を劣化させて、老化やそれにともなうさまざまな病気を引き起こします。

 このAGEを考える場合、重要なポイントが二つあります。一つは血糖値です。これが高いとAGEがつくられ、老化が進みます。体内に糖がたくさんあればあるほど、タンパク質が糖とくっついてAGEがつくられる。

 もうひとつは時間です。高い血糖値の期間が長くつづけばつづくほど、その間にAGEがつくられ、やはり老化が進みます。(山岸昌一『老けたくなければファーストフードを食べるな 老化物質AGEの正体』p42

 

 

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