慢性炎症・酸化ストレス・糖化を防ぐアンチエイジング・デトックス・ダイエット

慢性炎症・酸化ストレス・糖化を防ぐためのアンチエイジング・デトックス・ダイエット方法について書いています。

終末糖化産物「AGE」とは何か?

当ブログでは、慢性炎症・酸化ストレス・糖化を防ぐためのアンチエイジングデトックス・ダイエット方法について書いていますが、今回は終末糖化産物「AGE」とは何かについて述べていきたいと思います。

 

前回の記事では慢性炎症の原因になる「糖化」について書きましたが、その「糖化」を引き起こす原因になるのが終末糖化産物である「AGE」(AGEs)だとされています。

 

「糖化」とは、糖とたんぱく質が結びついた「糖化たんぱく質」である「AGE」によって、組織が攻撃され、老化が促されることでした。

 

この「AGE」とは、日本におけるAGE研究の第一人者である山岸昌一氏によれば、糖化物質が変質しきった、毒性の強い物質のことであり、「糖化物質の慣れの果て」を指しているといいます。(参考『老けたくなければファーストフードを食べるな 老化物質AGEの正体』)。

 

そして「AGE」の厄介な点は、ヘモグロビンや体内のタンパク質とくっついてしまうことで(糖化たんぱく質)、「本来の組織を攻撃するようになる」点だと山岸氏は述べています。

 

たとえば糖尿病の指標になる「ヘモグロビンA1c」は、糖とたんぱく質を含む食品を加熱調理することで起こる「メイラード反応」(褐色反応)の副産物なのだそうです。

 

 人間の体内にあるタンパク質はヘモグロビンだけでしょうか? いいえ、そうではありません。体の細胞や組織はほとんどがタンパク質でできています。

 つまり体内の組織が糖にさらされて、長い間体温で温められていると、どんどん糖化が進み、最終的な糖化物質、つまりAGEになっていく。体のあちこち、そこら中にタンパク質が糖化されたAGEがたまっていて、本来の組織を攻撃するようになる。AGEは異常な糖化物質、モンスターなのです。

 人間が老化していく姿とは、こうしたことだったわけです。(山岸昌一『老けたくなければファーストフードを食べるな 老化物質AGEの正体』p34~35

 

老けたくなければファーストフードを食べるな 老化物質AGEの正体

「AGE」(AGEs)の問題点とは?

また、アメリカの神経科医であるデイヴィッド・パールマター氏は、『「いつものパン」があなたを殺す』のなかで、この「AGE」(AGEs)の問題点を指摘していますので、引用したいと思います。

 

 糖化反応とは、糖分子がタンパク質、脂肪、アミノ酸に結合することを意味する生化学用語だ。糖分子自身が結合し、自然発生的に起こる反応で、メイラード反応と呼ばれることもある。

 

(中略)

 

 このプロセスは終末糖化産物(通例、AGEsと略記される)を形成し、このAGEsによってタンパク質の繊維がゆがめられ、硬くなってしまう。

 年相応に老化しているヒト、つまりシワやたるみ、肌の変色があり、また加齢によって輝きが失われた人を見ると、AGEsの作用がわかる。その身体的影響は裏切り者である糖と手を組んだタンパク質によるものであって、AGEsが肌の老化において重要な役割を果たしている理由の説明にもなる。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p179~180

 

 

またパールマター医師が、「脳と体のアンチエイジングの目的は糖化反応を制限するか、遅らせることは明らかだ」としている点は、注目に値します。

 

 糖化反応は、生命にとって不可避な代謝や基本的な老化のプロセスの産物である。

 最近では糖分子とタンパク質の結合を利用して、糖化反応がどれだけ進んでいるかを計測することすら可能だ。

 

 (中略)

 

 脳と体のアンチエイジングの目的は糖化反応を制限するか、遅らせることは明らかだ。実際に、アンチエイジングの計画の多くは、現在、どのように糖化反応を軽減し、ひいては有毒な結合を解消させようとするのかに注目している。しかし、高炭水化物の食事をしていながらではそれは実現できない。炭水化物の食事によって糖化反応のスピードは増すからだ。

 とくに糖質は糖化反応を急速に促進する。というのも、糖質は体内のタンパク質とたやすく結合するからだ(ちなみに、アメリカにおいて、食事のカロリー源のナンバーワンは異性化糖だ。これは糖化反応の速さを一〇倍に上げる)。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p180~181

 

終末糖化産物「AGE」とは何か

「AGE」は炎症と老化を促す

ここまで終末糖化産物「AGE」とは何かについて書いてきましたが、医学博士の熊沢義雄氏が、『「慢性炎症」を抑えなさい』のなかで、

 

「AGEは細胞を刺激し、「問題が起きているので、みなさん集まってください!」というお知らせであるサイトカインをあたりに発信させて、炎症を引き起こしてしまう」

 

と述べている通り、「AGEは、私たちの体内で炎症を起こす大きな要因のひとつ」だと考えられているのです。

 

そしてその「AGE」によって炎症が起こることが、体内の老化や、糖尿病、認知症の発症などに密接に結びついているとされていますので、「AGE」対策(抗糖化)を行うことは、アンチエイジングのために必須なのです。

 

 AGEはタンパク質が糖化して、変質した最終糖化物質です。

 それが体内のあちこちに沈着し、組織を劣化させて、老化やそれにともなうさまざまな病気を引き起こします。

 このAGEを考える場合、重要なポイントが二つあります。一つは血糖値です。これが高いとAGEがつくられ、老化が進みます。体内に糖がたくさんあればあるほど、タンパク質が糖とくっついてAGEがつくられる。

 もうひとつは時間です。高い血糖値の期間が長くつづけばつづくほど、その間にAGEがつくられ、やはり老化が進みます。(山岸昌一『老けたくなければファーストフードを食べるな 老化物質AGEの正体』p42

 

 

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